

今回の作業はローバーのセルモーターの点検と交換です。症状はキーを回すと「カチッ!」と音はするのですがセルモーターが回りません。セルモーターのバッテリーからのメーン・ケーブルの端子には12Vの電圧が来ていて、スイッチの端子(始動スイッチからのリード線を接続)にもキーを回した時に12Vの電圧が来ています。マグネットスイッチの中を通ってコネクティング・リードを接続する端子にもキーを回した時に12Vの電圧が来ます。この症状だとブラシが磨り減って無くなってしまっているのかヨークやアーマチュアが壊れてしまっているかです。


セルモーターを取り外して分解して何が悪いのか点検をします。セルモーターにはバッテリーからのメーン・ケーブルがつながっているのでバッテリーのマイナスの端子を取り外して作業をします。


セルモーターはエンジンルームの上側から取り外します。メーン・ケーブルの端子とスイッチの端子を取り外してから14㎜のスルーボルト2本を外して取り出します。


セルモーターを車両から外して単体で作動確認をするとピニオンギアは飛び出すのですが回転をしません。



セルモーターのマグネットスイッチに接続しているコネクティング・リードの配線を取り外してリアカバーを取り外します。ブラシホルダーを取り外してブラシの状態を点検をするとブラシの減りもなく問題はありませんでした。



ブラシホルダーが外れるとアーマチュアのリアカバーが見えるのでこのカバーを外して中のアーマチュアとヨークを固定しているストッパーを取り外します。セルモーターのドライブハウジング(フロントカバー)を取り外してマグネットスイッチとピニオンギアを取り外します。

ヨークとアーマチュアがこれでやっと見ることが出来ます。中を見てみるとアーマチュアとヨークが擦れてしまってグチャグチャになっていました。焦げ臭い匂いもしてとてもくさいです。



アーマチュアもなかなか取り出せなくてやっと取り出すと左の写真のような状態でした。ヨークの中からはフィールドコイルの破片が出てきました。フィールドコイルが破損してヨークの中で動き回ってアーマチュアを削ったりして最後はこの破片が引っかかってアーマチュアがまわらなくなったようです。右端の写真のヨークの中もひどい状態です。


今回はセルモーターがひどい状態なので修理はせずに新しいセルモーター(Valeo製)を用意して交換をすることになりました。車両にセルモーターを取り付けてキーを回してセルモーターの作動確認をします。バッテリーのターミナルを外していたので車両の電気廻りの作動確認をしてオーディオや時計などの設定をして作業は終了です。
BY TANI
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