今回の作業はトヨタのクラウンのエアコン修理です。前日にエアコンが効かないという事で点検をした所ガス漏れでエアコンが効きませんでした。ガス漏れしていた所はフロントのクーリングユニットからとリアのクーリングユニットからとEPR(フロスト防止用の調整弁)からでした。
今回はリアへいくパイプを取り外してフロントのエアコンシステムだけ使えるようにパイプを変更してリアのエアコンを使えなくします。
この車両のボンネットはダンパーが付いていてこのダンパーでボンネットが勝手に閉まらない様にしているのですが、このダンパーは年数が経っているのかゆっくりと勝手に閉まってしまうのでダンパーストッパーと言う工具をダンパーのバーに取り付けてボンネットが閉まらない様にします。
この車両のフロントのクーリングユニットはグローブボックスの奥にあります。グローブボックス下のアンダーカバーのツメを3箇所外してカバーを外し、カバーに付いているフットライトを取り外します。
グローブボックスを固定しているビスを5本取り外してグローブボックスを手前に引き出してグローブボックスライトとトランクスイッチのカプラーを取り外します。グローブボックスが外れたら下側に補強用のバーがあるのでこのバーも取り外します。
クーリングユニットに取り付けられているエアコンのアンプのカプラーを取り外してこのエアコンアンプをクーリングユニットから取り外します。エバポレーターの温度センサーの配線もクーリングユニットを取り外す時に引っかかるのでカプラーを外しておきます。
グローブボックス上とクーリングユニット上部に固定されているECUを取り外して下に落として配線がクーリングユニットを取り出す時に邪魔にならない様によけておきます。
クーリングユニット上部を固定しているボルトがECU固定用のブラケットが邪魔をして外せないのでこのブラケットの左側のナットを外してブラケットを手で曲げてやるとボルトが見える様になるのでこのボルトを2本取り外します。
クーリングユニットに固定されている配線の束を固定用カバーのビスを外してECUの配線と同じ様にクーリングユニットを取り出す時に邪魔にならない様にブロワーモーター側によけておきます。
エンジンルーム側でクーリングユニットから出ている配管に接続している高・低圧のパイプを取り外します。EPRも交換をするのでコンプレッサーへ繋がっている低圧のホースをEPRのところで取り外してからEPR自体を取り外します。
ブロワーユニットとヒーターユニットにクーリングユニットを固定しているビスがあるのでこのビスを取り外してクーリングユニットを手前に引っ張り出して取り外します。
クーリングユニットが取り外せたのでケースを分解します。クーリングユニットから出ているパイプのところにクッション材とゴムが付いているのでこれらを取り外します。クッション材は再使用するのでちぎれない様に慎重に取り外していきます。
ケースはビス4本とクリップ4個を取り外すと2分割に分かれます。エバポレーターの温度センサーを取り外すとエバポレーターが取り出せます。
新しいエバポレーターやEXPバルブは別々になっているので取り外したエバポレーターを見ながら同じ様に組み付けをします。感温筒の固定クリップは取り外したエバポレーターから取り外して再使用します。
新しいエバポレーターを逆の順番でクーリングユニットに入れて車両に取り付けをします。
クーリングユニットに接続する高・低圧のパイプはリアエアコン用に途中で分岐されているタイプのもので、最初に書いていましたがこのパイプを変更して違うパイプを取り付けます。リアにいくこのパイプは助手席側の車両の下にジョイント部があるのでこのジョイント部で取り外してエンジンルーム側に取り出します。
新しく取り付けるパイプは写真の様にリア用に分岐していないシンプルなパイプになっています。外した低圧パイプにはリアにいくパイプ側にチェックバルブが付いていたのですが、新しい低圧パイプにちゃんとチェックバルブが付いているので問題ないです。
EPRとレシーバーを交換して外していたパイプやホースを全てつなぎます。この時にパイプやホースに付いているOリングは新しいOリングと取り替えます。Oリングをそのまま使うとかなりの確立でそのジョイント部分でガス漏れがしますので交換の時や配管を取り外した時はOリングは必ず交換してください。
配管が全て繋がったら真空ポンプを使って配管の中の空気を取除きます。前にも書いたのですが配管の中に空気が残っているとガス圧が異常に高くなります。また配管に残った空気中の水分がEXPバルブで凍ってしまって詰まったりしてしまうので真空引きはとても重要です。
真空引きが終ったらガスの充填をします。このクラウンの場合はリアエアコンが付いていた時の規定量は1200gなのですが、パイプを変更してリアエアコンを使えなくした為規定量が分からないのでレシーバーに付いているサイトグラスでガスの流れや泡の量を見ながら充填していきます。
ガスの充填が終ったらもう一度ガス漏れの点検をします。外したパイプのジョイント部分やクーリングユニットなどを点検をしてガス漏れがないのを確認をして作業は終了です。
BY TANI