今回の作業はマツダのユーノスロードスターのエアコン修理です。前日にエアコンが冷えないと言う事で点検をしたところエアコンガス(R-12)が全く入っていませんでした。どうやらガス漏れのようなのでエアコンガスを補充してガス漏れしている所を探すとエバポレーターからガス漏れしていました。あとチェックバルブのムシもパッキンがダメになっていてガス漏れしているのでチェックバルブのムシも交換します。
エバポレーターが入っているクーリングユニットはグローブボックスの奥にあるのでグローブボックスを取り外します。グローブボックスは下のバーにビス2本で固定されているのでこのビス2本を外して取り外します。
次にグローブボックスが取り付けられていたバーもクーリングユニットを取り出す時に邪魔になるので取り外します。このバーはビス3本でとまっているのでこのビスを取り外し下の方向にスライドさせて取り外します。
クーリングユニットがこれでよく見えるようになったのでクーリングユニットを固定しているナットを2個取り外します。エアコンが冷えたときに出る水を車外に出す為のドレンホースもクーリングユニットから取り外しておきます。後、クーリングユニットの左右に固定用の金具が付いているのですがこの金具はエンジンルームの高低圧のパイプが外れてから取り外してクーリングユニットを取り出します。
エンジンルーム側でクーリングユニットと繋がっている高低圧のパイプを外します。パイプのジョイント部はウォッシャータンクが邪魔して工具が入らないので先にウォッシャータンクを取り外します。高圧パイプもクランプで固定されていて動かないのでクランプ固定のボルトを外して高圧パイプが動いてエバポレーターのパイプから外れるようにします。ジョイント部をスパナで緩めて取り外し、高低圧のパイプを取り外してクーリングユニットを取り外します。
クーリングユニットを分解して中のエバポレーターを取り出して新品と交換します。クーリングユニットの中にはエバポレーター・EXPバルブ・エバポレーター温度センサーがあります。
EXPバルブの役割は液体の状態のクーラーガスの圧力を抜いて気化させる為のものです。気化させるときの気化熱で廻りの熱を吸収するので冷たく冷えるのです。このEXPバルブには感温筒が付いていてエバポレーター出口付近のパイプに密着させていてそのパイプの温度によってEXPバルブで絞ったり開いたりさせて圧力を調整しています。
エバポレーターの役割はEXPバルブからのガスにブロワーからの風を使って冷やし、ガスを全て気体にすることです。気体にしておかないとコンプレッサーでガスを圧縮できないからです。
エバポレーター温度センサーの役割はエバポレーターが冷えすぎて凍ってしまわないように一定の温度まで冷えるとコンプレッサーに電気を行かなくします。
交換したエバポレーターなどをクーリングユニットに組み付けてクーリングユニットを元通りに取り付けて真空引きをしてエアコンサイクル内の空気を取除きます。ガスメーターの圧力計は0気圧以下の負圧になっています。
真空引きが終わるとエアコンガス(R-12)を規定量補充します。ガスメーターで圧力を見て異常はないか点検してエアコン配管にあるサイトグラスでもエアコンガスの流れをチェックします。最後に他にガス漏れがないかチェックをして作業は終了です。
左の写真はガスリークテスターで大抵の場合はこのテスターでガス漏れを探します。
右の写真はトーチ式のテスターでトーチ.に火を付けてガス漏れを探します。トーチの先に銅が取り付けられていてホースから吸い込んだ空気にR-12フロンガスが混ざっていれば炎の色が緑色に変わって教えてくれます。なぜそうなるかと言うとR-12フロンガスの成分に塩素が入っていてこの塩素と銅が化学反応を起こして炎の色が変わります。今の134aクーラーガスには塩素が入っていないのでトーチ式のテスターはあまり使わなくなりました。
BY TANI